補聴器ライフを楽しもう! 一般社団法人日本補聴器工業会

お知らせ

令和2 年(2020 年) 日本補聴器工業会 年頭所感

更新日:2020.01.27

超高齢社会で期待される補聴器の活用

皆様、新年明けましておめでとうございます。令和2 年(2020 年)を無事に迎えることが出来、何よりのこととお喜び申し上げると共に、平素私ども補聴器業界に対して温かいご理解とご支援を頂戴している皆様方に、改めまして心よりお礼を申し上げます。

昨年は当工業会にとりまして、その前年の設立30 周年の経過に続いて、令和の新しい時代がスタートする記念すべき節目でありました。そしてこの節目に、日本の難聴及び補聴器を取り巻く環境が、より望ましい新しい時代へ突き進むことを実感できる重要な動きがありました。

経済産業省の2040 年を見すえた医療機器・ヘルスケア産業施策の中では、今後40 年以上日本の総人口は減少を続けますが、現在約3,500 万人の高齢者人口は依然としてこれを下回ることはない。つまり高齢者人口率は上昇の一途であり、世界のトップを走り続けるとの推計で、2040 年に高齢者人口はピークを迎えます。
人口の高齢化が進むこと、これは決して悪いことではなく、国民の「健康で長生き」を実現すれば社会は必然的に高齢化するわけであり、超高齢社会は人類の理想であるとされます。そこで大事なのは、社会を高齢者が暮らしやすい構造に変えることであります。

日本で、自身が難聴又は難聴と思われると意識する人の割合は全人口の11.3%で1,427 万人、65 歳以上では1,024 万人であり、多くの人たちが難聴あるいは難聴に近い症状を有していて、社会全体でコミュニケーションに支障をきたしていることになります。つまり超高齢社会は同時に難聴社会でもあると言えます。

近年の補聴器は、過去に困難であった、雑音やハウリングの除去、装用していることが周りの人からはわからないほどの小型化などを実現し、より多くの情報を取り込める無線入力機能などを充実させるまでに進化しています。
ところが、日本の難聴者の補聴器所有率は14.4%で、欧米主要国の30%~40%台に比べて極めて低いのが実情であり、さらに、各国の所有率は年々上昇しているにもかかわらず、日本の所有率は横ばい状態が続いています。ここに、補聴器を活用するための日本の社会環境のしくみづくりに大きな課題があります。

昨年4 月に、難聴者がその障害を乗り越え、暮らしやすい社会を実現できるようきめ細やかな対策を推進するために、「難聴対策推進議員連盟」が設立され、国会議員、行政担当者、障害者団体、関連医学界、関連教育界、補聴器業界団体等の関係者が集まり、様々な課題とその対策について協議し、年末までにこれら難聴対策を強力に推進するための「Japan Hearing Vision」を取りまとめています。
これは世界保健機関(WHO)が取り組む難聴対策に対応した位置づけにもなります。

この議員連盟での協議の場において、補聴器業界三団体(日本補聴器工業会、日本補聴器販売店協会、日本補聴器技能者協会)は、公益財団法人テクノエイド協会のご理解を得て、日本の難聴者と補聴器の実態に関するレポート「難聴者の聞こえへの貢献をより拡げるために」を提出しました。この中で最優先するべき課題は難聴者の補聴器所有率を引き上げることであり、その解決のために三点の要望を申し入れました。これらの要望とその根拠は以下の通りです。

超高齢社会において多くの難聴者が補聴器によって会話コミュニケーションを確保し、活き活きとした生活で健康長寿な社会が望まれるが、そのためには難聴者の補聴器所有率の引き上げが喫緊の課題である。

❶ 補聴器購入における公費助成の拡大
現状で、補聴器所有者のうち障害者総合支援法等に基づく公費助成等を受けているのは全体の12%に過ぎず、補聴器購入者の8 割以上を占める65 歳以上の難聴者は、大半が公費助成の対象とならず購入は全額個人負担になっている。

❷ 補聴器販売店への補聴器技能者の在籍義務化
現状の販売店における補聴器技能者の在籍率は3 割程度で、有資格者のいないお店での販売が多く、補聴器使用者の満足度は高くない。専門的技能を有する補聴器技能者の在籍によって適正な販売が行われることを確実にする必要がある。

❸ 補聴器技能者への公的資格の付与
補聴器の適合は聴力、言葉の聞き取り能力、生活・仕事環境、その他多くの要因を加味し、難聴者個々の聞こえに適合させる知識・技能が必要となり、安全に資する医療と連携した供給システムを構築する必要がある。 これらの要望は、「Japan Hearing Vision」の提言に組み込まれることが確実であり、今後、具体的検討、施策へと進むことが強く期待されます。 当工業会と致しましては、このような社会状況の変化そして、その動きを正しく認識した上で、そのような動きに頼りきって甘んじることなく、積極的な施策をもって、補聴器を通して難聴の方々への貢献、高齢社会への貢献をより高める活動や、研究開発に努めなければなりません。そのためには関連の諸団体の皆様方との関係をより密にして、連携を深めることが重要でございますので、皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。 新しい年、令和2 年(2020 年)が、皆様にとり一層の飛躍の年となることを祈念申し上げまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

日本補聴器工業会 加盟の補聴器メーカー

  • リオン株式会社
  • パナソニック補聴器株式会社
  • オーティコン株式会社
  • ジーエヌリサウンドジャパン株式会社
  • コルチトーン補聴器株式会社
  • シバントス株式会社
  • ワイデックス株式会社
  • スターキージャパン株式会社
  • ニュージャパンヒヤリングエイド株式会社
  • フォナック・ジャパン株式会社
  • マキチエ
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